何回か復縁屋案件などの調査や工作をやっていくうちに悔しい思いをする機会も少なからずある。
そんな中でも、ひと際やるせないパターン。
そう、一日に複数件を回ったにも関わらず進展や成果がなかった時だ。
シンプルにそういうときが一番悔しく、自分の無力さを突き付けられる。
その日も先輩と共に地方の調査に赴いた。
朝早くに事務所に集まりその日のうちに回る現場を確認して、認識をすり合わせる。
現場に着いたら長時間の張り込みになるので飲み物や食べ物を買って備える。
一件目は対象の自宅付近で張り込み。
提供された情報によると対象は今日は仕事が休みでプライベートで動きがあるのではないかと思われた。
しかし、いくら待っても対象は自宅から出てこない。
自宅も外から見る限り、電気もついておらず人の気配も感じられない。
普段であればとことん粘って待つのだが、もう一軒回らなければならない。
一件目の現場をいつ離れるかの判断が必要だ。
先輩が担当者に判断を仰ぐ。
しばらくして、その現場での張り込みは終了し次の現場に移動するように指示があった。
収穫がないのはごくごく稀にある。
悔しいが次の現場へ向かう。
次の現場も対象の自宅前での張り込み。
自宅の正面の物陰から私が、自宅の北側の路地に先輩が待機して張り込みを行った。
出てこない。
動きがない。
またしても、時間だけが過ぎていく。
結果は同じで結局その日、対象が出てくることはありませんでした。
流石に二件回って収穫なしは堪えました。
帰りの道中先輩も渋い顔をしていました。
「ちょっと今回は悔しいね……」
「ですね……」
「たまにあるけど、何度経験してもやるせないね。(苦笑)」
「……」
どんなに情報を集めてもやはり人相手の仕事であることには変わりはありません。
常に予定調和というわけにはいかないのもまたこの仕事の常であると改めて実感させられる日でした。
※調査員ブログ