復縁屋案件の担当者からの電話。
早口でまくしたてるように「某巨大展示場に対象者がいるから、今すぐ向かって接触してほしい!」と指示が飛んできた。
とにかく、これは行かねばと思い「了解です!」と言いながら調査員を捕まえて車に飛び乗る。
現場までの道中。
助手席で対象者の情報を整理しながら調査員と打ち合わせをしているうちに、どんどん冷静になってきた。
そういえばさ…あの展示場って…バカデカくね!?
こんなところで対象に会えるのか?
なんか心配になってきた…。
---
展示場に到着したら、やっぱりバカデカかった。
中に入ってみると淀みなくバカデカい。
今まで一度も足を踏み入れた事のない未開の地。
そんでもって、おびただしい量の人、人、人…。
入り口で既に心を折られる。
泣き言を言ってる暇もないので、同行の調査員と展示ブースのマップを手にエリア分担をし対象探しの旅に出る覚悟を決めた。
「よし、じゃあ発見次第、どの辺にいるかの連絡を!」と、それぞれ別の方向へ分かれ…る瞬間、対象いたーーー!!!!!
これは奇跡!
マジで奇跡!
一生分の運使ったやつ?
逆に急すぎて、あの覚悟なんだったん?
いったん落ち着きたい。
一呼吸おいて、接触。
好感触。
ちょっと色々上手くいきすぎて怖い。
これから関係性を築いてもう少し狭いところで会う約束をしたいと思います。
工作員が奇跡を起こした話でした。