復縁屋案件の対象と初めて接触するとき、なるべく円滑に良い印象で接触できるように対象の趣味や接しやすい人柄を演じることもあります。
その結果、目論見通り円滑にいくこともあればうまくいかないときもあります。
そして、時として思いもよらない味方が現れることもあります。
某日地方にて
対象が友人と二人でライブに行くとの情報を得て、担当者と話し合い、ライブ当日に初接触する算段を付けました。
電車の中から対象を尾行しつつ、会場の最寄り駅で降りるタイミングを見計らいます。
対象と友人が座席を立ち、電車を降りるよりも早く、先に降りて改札を通過します。
改札を出てすぐのところで対象を待ち構えていると友人が先に出てきました。
ライブ会場まで駅からはさほど離れていません。
ここでなんとしても接触して、次の工作に繋げなければならい……
ここでしくじるわけにはいかない。
一か八か思い切って友人の方に声をかけてみました。
対象の情報は充分に与えられていましたが、友人の情報は皆無。
人見知りであったり、警戒心の強い性格であった場合、完全な悪手になってしまします。
完全な賭けでした。
「あのー、すみません。〇〇ってどっちに行けばいいですか?」
「あぁ、ちょうど僕も行くので一緒に行きましょう。」
「いいんですか!?ありがとうございます。」
びっくりするほど人当たりがいい!!
「連れがいるのですこしまっててください。」
「わかりました。」
賭けに勝った……
内心ほっと胸を撫で下ろすと同時にガッツポーズ……
もちろん、賭けに負けた時のリカバリーも考えてはいたが、こんなにうまくいくとは思いもしませんでした。
対象はトイレに立ち寄っていたようで戻ってくるまで友人と談笑していたました。
非常に気さくな人柄で、対象よりも友人の方と先に懇意になれたのは大きな収穫です。
対象がトイレから戻ってきて、最初は流石に私を見て怪訝そうな顔をしていましたが、ライブ会場に行く道すがら三人で話していると難なく打ち解けることができました。
その後、三人でライブ会場まで行き良い雰囲気のまま開場まで談笑。
次回のミッションであった、連絡先交換まで遂行できました。
今回はのようなケースは非常にまれですが、想定していない心強い味方の出現により最高の初接触を果たせました。
※工作員ブログ