別れさせ屋案件の調査にベテランの調査員と一緒に動くときは私にとってこの上ない勉強の機会だ。
今回お手伝いさせていただいている別れさせ屋案件でもしっかりとその熟練の技術を見せてもらおう。
現場に赴き、対象と接触する。
順調に当初の目的通りに情報を引き出した上に、それ以上に有益な情報を入手できた。
「やりましたね!!めちゃくちゃ情報引き出せましたね!!」
「あぁ・・・そうだな・・・・」
思った以上の収穫に興奮気味にの私とは対照的にベテラン調査員は腕組みをして何かを考えている様子だった。
「何か気になることでもありましたか?」
「いや・・・・」
煮え切らない様子のベテラン調査員を不思議に思いながら帰路についた。
道中、社用車の中でベテラン調査員から聞かれた。
「なぁ、お前気づいたか?」
「はい?何がですか?」
「いやさぁ・・・対象の頭よ」
「?」
何のことかさっぱりわからない私を見てベテラン調査員が一言。
「まだまだだなwww」
「???」
「あいつ、ヅラだったぜ」
「・・・・・え?」
なんだそりゃ?そんなこと?そう思った瞬間自分の中で否定が入った。
いや、待てよ。
全然気づかなかった・・・・
自然に地毛に見えたぞ。
なんでそんなこと?ではない。
この人はそんな些細なことですら見抜けるのか・・・・・!!
しかし、そういった些細な違和感を感じ取り見抜く能力が問われる仕事であることは明白。
毎回毎回いつも気づきがあり、学びがある。
この仕事を続けていけば、いつの日か私も一流のハゲ鑑定士になるのだろう。
そう思いながら頭を掻いた。
※調査員ブログ