復縁屋案件の依頼を受けて、対象と接触するためのプロセスは様々あります。
先輩や依頼者からの情報をもとに必要なものを買ったり、専門的な知識を集めていきます。
その中でも一番難しいと感じるのはお金で得ることのできない物や知識を集めることだと思います。
とある案件は、某有名カードゲームが大好きな対象と接触することになったときのことですが、工作員の中にそのカードゲームについて詳しい者が一人もいなかったことがあります。
そういうときは、そのカードゲームについて一から調べてマニアや詳しい人と同じレベルの知識量にしなければなりません。
昼夜を問わず、そのゲームのことを考え続けて原作漫画をすべて読んだり、外伝作品も網羅してテレビゲームも携帯ゲームもやりこみます。
日に日に先輩は寝不足で目の下のクマも濃くなり、事務所で作業しているときも船をこぐこともしばしば。
「お~ん……だいじょうぶ~……」
重要な話以外はすべて生返事といった具合でとても心配していました。
しかし、最近になって当時のことを聞くと以外にも全然大変ではなかったと先輩は言います。
「あんなに毎日眠そうにしていたのに何でですか?」
「あぁ~、あれは全然自業自得なんよ。」
「ん?」
「6Vがね、完成しないんよ。」
「んん?」
「はさみギロチンが決まると気持ちいんよな。」
てっきり仕事上必要に迫られて、徹夜してまで勉強していたと思いきや、完全にそのゲームにはまっていたのです。
※工作員ブログ