ある別れさせ屋案件の対象者と接触工作の予定
対象が常連として通うスロット店で話かけるという内容。
先輩と二人でスロット店へ向かいながらどういう感じで接触していくか打ち合わせする。
なんつっても一発目の接触は大切。
これから関係性を築いて仲良くなっていく為の大切な印象作りやからね。
店の中で二手に分かれて対象を探していると先輩が
「いたよ!あれあれ!」
と小さく指さした先には対象がスロット打っとるのがななめ後ろからでも髪型でわかる。
遊戯する台を探してるふりしてしれ~っと後ろを通り過ぎながらチラッと確認すると、印象的なメガネもちゃんとかけている。
間違いなく対象や。
そんで偶然にも隣の台が空いてるしこれはチャーンス!
さり気なく横に座ってスロットを打ち始め、数分後これまたタイミングよく当り確定演出の後に7テンパイ!
あとは目押しのみ。これこそチャーンス!
「すいません、目押しがメチャメチャ苦手なのでお願いできますか?」
と対象に話しかける。
すると対象は愛想良く「いいですよ」と言いながら慣れた感じで押してくれた。
そこからすんなりスロットの話をしながら盛り上がる。
はたから見たら友達同士でスロットやりに来てるんやろなって思うぐらい。
ひとしきり話した後「じゃあ帰りますね」と席から離れて車に戻ると先輩が
「写真もバッチリ!何枚も撮ったよ」と。メッチャええやん。
帰る前にもう一度対象者の所へ行き「さっきはありがとうございましたー」なんて言いながら笑顔で缶コーヒーを渡してダメ押し。
もう完璧やんこれ。
帰り道は先輩と二人で写真の確認しながら出来高の話が止まらん程。
ほんまになんともいい接触工作だった。
が、この時点で先輩と私は、この写真の人物が実は顔も髪型もメガネも限りなく対象にそっくりな人だったという事は知る由もなかった…。
※工作員ブログ